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佐藤 理花*; 西 剛史*; 太田 弘道*; 林 博和; 菅原 隆徳; 西原 健司
第43回日本熱物性シンポジウム講演論文集(CD-ROM), 3 Pages, 2022/10
溶融塩の密度および粘度は溶融塩を用いた加速器駆動核変換システム等を検討する上で必要不可欠な物性値である。本研究では、溶融塩を用いた物性値測定の手始めとして塩化鉛および硝酸カリウムを対象とし、粘度を測定するための装置の整備を行い、粘度および密度を測定した。
佐藤 理花*; 西 剛史*; 太田 弘道*; 山野 秀将
International Journal of Thermophysics, 43(6), p.85_1 - 85_15, 2022/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Thermodynamics)本研究では、振動の周期と対数減衰から最小二乗法を基にした簡易な粘度測定法を開発した。提案手法の再現性を確認するため、溶融ニッケルの粘度を測定した結果、文献で報告されたものと良い一致が見られた。測定誤差は3%であり、実験データは良い再現性を示した。提案した測定手法は高い精度を持つことが示された。
高塚 祐理子*; 松本 早織*; 西 剛史*; 太田 弘道*; 堀 亜由美*; 林 喜一郎*; 山野 秀将
実験力学, 22(2), p.117 - 119, 2022/06
本研究では、るつぼ回転振動法により粘度を測定し、高温時の溶融耐熱鋳鋼の粘度の影響を明らかにした。粘度測定で用い高温耐熱鋳鋼の試料は、Ni量として0, 10, 20, 30, 40及び50質量%を含有させた。粘度は、Roscoeの式により評価するとともに、1693Kから1803Kの温度範囲で計測された。
松本 早織*; 西 剛史*; 太田 弘道*; 堀 亜由美*; 林 喜一郎*; 山野 秀将
実験力学, 22(2), p.112 - 116, 2022/06
本研究では、るつぼ回転粘度計を用いてNi基超合金の粘度を測定した。今回測定した温度範囲において、いずれの試料も温度上昇に伴い粘度が減少するArrhenius型の良好な温度依存性を示した。また、添加されている元素の中でCoの含有量が多いほど粘度が小さい傾向が見られた。
西 剛史*; 佐藤 理花*; 太田 弘道*; 小久保 宏紀*; 山野 秀将
Journal of Nuclear Materials, 552, p.153002_1 - 153002_7, 2021/08
被引用回数:3 パーセンタイル:31.78(Materials Science, Multidisciplinary)炭化ホウ素とステンレス鋼の溶融合金(BC-SS)の高精度の物性測定はナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故解析や福島第一原子力発電所で見られたように沸騰軽水炉(BWR)のシビアアクシデント解析に必須である。しかしながら、実験的に困難であるが故、BC-SS溶融合金の高精度な粘度データはない。本研究では、溶融ステンレス鋼(SUS316L), 2.5mass%BC-SS, 5.0mass%BC-SS, 7.0mass%BC-SSの粘度をそれぞれ1693-1793K, 1613-1793K, 1613-1793K、及び1713-1793Kの温度範囲で回転るつぼ振動法により計測した。この粘度はBC濃度が0から7%までに上昇するにつれて増加した。1713-1793Kの温度範囲で2.5mass%BC-SS, 5.0mass%BC-SS, 7.0mass%BC-SSの実験データを用いて、BC-SSの粘度評価式を求めた。また、BC-SSの粘度の計測誤差は8%以下だった。
太田 弘道*; 小久保 宏紀*; 西 剛史*; 山野 秀将
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.858 - 860, 2019/09
粘度計測装置を開発した。ステンレス鋼(SS)合金等の低粘度金属の取扱は難しいことから、高温溶融合金の粘度測定は難しいことが知られている。本研究では最初の段階として、溶融ニッケル(Ni)とステンレス鋼の粘度を、高温溶融合金の計測に適したるつぼ回転振動法により計測し、粘度計測装置の性能を確認している。溶融金属を入れたつるぼを吊るし、電磁的回転振動を与えたが、溶融金属の摩擦により、振動は弱まった。粘度は振動時間と対数減少から判断される。るつぼは、ミラーブロック,アルミ製の慣性ディスクに接続されており、全体は白金-ロジウム合金製のワイヤで吊られている。レーザー光線をミラーに照射し、その反射光を光センサで検知し、その後、溶融金属の対数減少を決定した。溶融Niと溶融SSの粘度は1823Kであった。この結果における溶融Ni及びSSの粘度数値は、溶融Ni及びSSの文献値に近く、この計測装置を使って溶融合金の粘度を計測する。溶融SS合金の粘度の濃度依存性は今後明らかにされる。
小久保 宏紀*; 西 剛史*; 太田 弘道*; 山野 秀将
日本金属学会誌, 82(10), p.400 - 402, 2018/09
被引用回数:7 パーセンタイル:36.72(Metallurgy & Metallurgical Engineering)ナトリウム冷却高速炉のシビアアクシデント評価手法の改良のため、ステンレス鋼と炭化ホウ素(SUS316L+BC合金)で構成される溶融混合物の粘度を取得することは重要である。本研究では、最初の段階として粘度計測装置の性能確認のため、溶融ニッケル(Ni)とステンレス鋼(SUS316L)の粘度を、るつぼ回転振動法により計測することにした。溶融NiとSUS316Lの粘度は1823Kまでを測定した。測定値のバラつきから、溶融NiとSUS316Lの測定誤差はそれぞれ4%と3%であった。また、溶融NiとSUS316Lの測定値は同様の組成をもつ文献値に近いことが分かった。さらに、SUS316L-BC合金の粘度も暫定的に計測できた。本研究によりNiとSUS316Lの粘度のフィッテイング式を得た。
福井 寿樹; 中塩 信行; 磯部 元康; 大竹 敦志*; 涌井 拓治*; 平林 孝圀*; 中島 幹雄
JAERI-Review 2000-033, 82 Pages, 2001/02
原子力施設において発生する低レベル雑固体廃棄物をプラズマ加熱により溶融処理し、安定した品質の溶融固化体を製作するためには溶融スラグの流動性を向上する必要がある。一般には、より高温で溶融処理し、溶融助剤等を添加することにより流動性を向上することが考えられるが、耐火物侵食の抑制や減容性の確保といった観点からは望ましい方法とはいえない。そこで、本稿では廃棄物中に含まれ、溶融スラグに対して流動性向上が期待される化学成分(FeO)に着目し、溶融スラグの流動性を向上させるとともに、溶融条件の緩和を図るものとした。まず、状態図及び粘性データの文献調査により、流動性向上成分であるFeOによる溶融スラグの融点降下及び粘性低下が期待できることを確認した。さらに、実際の雑固体廃棄物処理を想定し、融点降下及び粘性低下の観点から最適な溶融条件を検討した結果、(CaO+FeO)/(SiO+AlO)で定義される塩基度を0.5~0.6以上に保つことにより、安定した溶融処理が可能であることがわかった。
Lan, K. N.*; Lam, N. D.*; 長澤 尚胤; 吉井 文男; 久米 民和
Chitin and Chitosan; Chitin and Chitosan in Life Science, p.289 - 290, 2001/00
照射キトサンを用いてコーティングすることにより、果実の保蔵期間の延長を試みた。本技術は、照射キトサンの抗カビ活性及び膜のガス透過性の変化を利用するものである。キトサンは粉末状態で25kGy照射することにより、フザリウム,ペニシリウム,アスペルギルスなどの糸状菌を抑制する活性が増大した。照射キトサンを用いて、マンゴー及びバナナの表面コーティングを行い、貯蔵試験を行った。いずれの果実においても、照射キトサンを用いたコーティングを行うことにより、糸状菌の発生抑制、ブラック・スポット発現の防止、良好な熟成による好ましい色と香りなどの食味、水分損失の抑制効果が認められた。これらの結果から、照射によって低粘度化したキトサンは、果実保蔵に適しコーティング剤として利用できるものと考えられた。
秋野 詔夫
日本機械学会流体工学部門講演会2000講演論文集 (CD-ROM), 4 Pages, 2000/00
通常、浮き子式流量計は、物性値が既知の流体の流量を計測するのに用いられる。その指示する流量は、流体密度、流体粘性は関数関係となっているので、流量と粘性が既知であれば、密度を計測できることを示した。また、流量が既知であれば、混合流体の濃度を測定できることを示した。さらに、形状と密度の異なる二つの浮き子を用いることによって、密度と粘性を計測できる可能性を示した。すなわち、浮き子の形状、密度、流量計の使用台数を組み合わせることによって、流量ばかりではなく、物性を計測ができることを明らかにした。本研究では、上記の種々の可能性と測定精度を検討し、浮き子式流量計の新しい可能性を見いだした。
杉野 弘幸; 菅野 毅*
JNC TN8400 99-040, 75 Pages, 1999/11
これまでにサイクル機構では高レベル廃棄物の地層処分研究の一環として、人工バリアとして用いられる緩衝材の岩盤内への流出、侵食挙動に関して研究を進めてきた。平成9年には地層処分基盤研究施設(エントリー)の緩衝材流出挙動試験設備を用いて実施した緩衝材の流出挙動に関する試験に関して報告をまとめている。本書はその後、第2次取りまとめに向けて、緩衝材の流出挙動を解析的に評価した試みを報告したものである。緩衝材の流出挙動は、中野ら(1982)、Pusch(1983)、Kanno and Wakamatsu(1991)、Borgessonら、Ahn(1999)らなどにより研究が為されている。本報告ではこれらの研究をもとに緩衝材の流出挙動に対するメカニズムのモデル化を検討し、緩衝材の流出挙動を拡散モデルと、さらに緩衝材の粘性係数を仮定し、その効果を考慮したモデルを採用することにより、緩衝材の流出挙動の亀裂幅に対する依存性を解析的に表現した。また、その結果を用いて、第2次取りまとめで想定した人工バリアに対して長期にわたる緩衝材の流出に起因する密度変化を解析的に予測することを試みた。
Darwis, D.*; 西村 健二*; 三友 宏志*; 吉井 文男
Journal of Applied Polymer Science, 74(7), p.1815 - 1820, 1999/00
被引用回数:13生分解性のポリカプロラクトン(PCL)をペレット状態で照射すると分枝構造が導入され、加工性が改善できた。分枝構造の生成は、10kGyの低線量照射により分子量が増大し、溶融粘度の上昇から明らかである。分枝構造は、PCL分子鎖の絡み合いを引き起し、融点以上の粘弾性や伸長粘度を著しく改善した。これが発泡に有効で30kGy照射したものは25倍もの蜂巣状の発泡体ができた。未照射PCLは伸長粘度が小さいため発泡体にはならない。発泡体は薄い皮膜から成っているため、発泡前のシートよりも酵素分解が起きやすかった。
深沢 栄造*; 田中 益弘*; 山本 博之*; 平 和男*; 山本 正明*; 奥津 一夫*; 羽根 幸司*; 青柳 孝義*; 森川 誠司*; 古市 光昭*
PNC TJ1100 98-006, 434 Pages, 1998/02
TRU廃棄物は、高レベル放射性廃棄物と比較して発生量が多いが、発熱性があるものが少ないため、深地層中に大空洞を掘削して処分することが合理的である。またTRU廃棄物は、半減期が十万年以上の核種を含有するため、長期間にわたりこれを人間環境から隔離することが要求される。本研究では処分システムの長期健全性に係わる重要事象の検討と、大空洞処分技術の開発、及び設計研究を実施した。本年度の研究成果を以下に示す。1)平成7年度及び8年度に抽出・検討した事象について、漏れがないことを他研究の成果を踏まえて再検討した上で事象を整理した。また抽出された各事象に対する現状の知見、設計の考え方、課題・対応を整理し、今後の検討の方向性を明確にすることができた。2)人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性評価の一環として、人工バリア材料のうち、ベントナイトの周辺に空隙が発生したことを想定し、飽和ベントナイトの自己シール状況の把握と止水機能の確認及び体積変化後の密度分布変化を調べた。また、自己シール性確認実験を補完することを目的に飽和ベントナイト試料に対する膨潤試験を行った。これらの結果を基に、人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性の評価を行った。3)処分システム閉鎖直後の状態を想定し、不飽和状態における底部ベントナイト層の変形挙動ならびに支持力評価を行った。また、平成7年度に実施した飽和状態における変形挙動に関しても再検討を行った。4)平成8年度の委託研究で調査した「大久保モデル」を用いて試解析を実施し、大空洞の処分システム成立性の見通しを検討した。5)ナトリウム型ベントナイト単体、カルシウム型に変質させたベントナイト単体、天然のカルシウム型ベントナイト単体およびカルシウム型に変質させたベントナイトにケイ砂を混合した材料に対し、飽和水酸化カルシウム水溶液を通水させた系で膨潤圧、透水係数を試験により取得した。6)これまで処分システム設計で考慮しているいくつかの処分方式に対し、数値解析法により空洞の安定性を評価した。解析結果により得られる変形、緩み領域を用いて構造的安定性の評価を行うことができた。
K.Bahari*; 三友 宏志*; 円城寺 太郎*; 吉井 文男; 幕内 恵三
Polym. Degrad. Stab., 62, p.551 - 557, 1998/00
電子線照射により橋かけしたポリブチレンサクシネート(ビオノーレ)の発泡体への応用とその生分解性を調べた。ビオノーレの橋かけは100kGyから開始し、40%のゲル分解を得るには、400kGyと高い線量を要した。しかし、発泡にはゲル分率が2~5%で十分な溶融粘度が得られた。発泡体は、独立気泡で、気泡の大きさは、発泡剤の濃度と発泡時間に著しく影響される。発泡体の酵素及び土中での生分解性は、発泡前のシートよりも早い。これは気泡が薄い膜で包まれているため、微生物が発泡体の内部へ侵入しやすいためと考えられる。
日比谷 啓介*; 稲葉 武史*; 塩釜 幸弘*; 升元 一彦*; 深沢 栄造*; 平 和男*; 田中 俊行*; 近藤 嘉広*; 山本 正明*; 奥津 一夫*; et al.
PNC TJ1100 97-004, 69 Pages, 1997/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を人工バリア材の一つである埋戻し材、プラグ材、グラウト材により閉鎖し、廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験および原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、粘土プラグの性能を評価するため、室内透水試験を実施するとともに、原位置試験の設計検討を実施した。(1)圧縮珪砂ベントナイトによるプラグを模擬した高水圧透水試験を行い、プラグの透水特性を検討した。(2)カナダのURLサイトにおける横坑シーリング試験の事前検討を行い、具体的な施工方法や試験方法を選定した。
青木 和弘; 小出 馨*; 清水 功*; 吉田 英一; 荒木 龍介*; 澤田 淳; 藤田 朝雄
PNC TN1410 97-038, 307 Pages, 1996/04
釜石原位置試験第2フェーズは、地下深部の地質環境特性の詳細な把握とそこで起きる現象の理解、ならびに、調査試験技術の高度化と確立を目的として、本地域に広く分布する前期白亜紀の栗橋花崗閃緑岩を対象に平成5年度から実施されている。平成7年度は、第2フェーズの第3年目にあたる。平成7年度の主な実施内容および成果は、以下の通りである。1)Task1:深部地質環境特性の把握原位置試験場周辺の地質構造、力学特性、水理特性、地球化学特性の情報を取得するとともに、割れ目帯検出技術として流電電位法と流体流動電位法を実施し、これらの手法の有効性と適用限界について把握した。2)Task2:深部岩盤における掘削影響領域の評価試験坑道掘削前の事前調査の準備として計測坑道と調査用試錐孔の掘削、割れ目調査、予備計測、室内試験および予測解析を実施した。また、坑道周辺のREDOX状態調査では、水質モニタリング、解析コードの開発、室内試験を実施した。3)Task3:結晶質岩の水理・物質移行に関する研究収着およびマトリックス拡散に関しては、割れ目タイプC(断層破砕帯)を対象にした詳細な移行経路調査を行い、割れ目周辺の移行経路概念モデルを構築した。室内試験ではタイプBを対象としたバッチ式収着試験等を行い、充填鉱物部、赤色変質部および未変質部の各部分での収着能力を定量的に把握した。移流および分散に関しては、アクセス坑道より3本の試錐孔を掘削し、非収着性トレーサー試験対象領域全体の水理地質構造(透水性割れ目および高間隙水圧領域の位置・分析等)を把握した。4)Task4:人工バリア試験粘土系グラウト技術の適用性の検討としては、粘土グラウトが岩盤の透水係数を低下させる手段として有効であることを示した。熱-水-応力連成現象としては、岩盤特性調査として試験坑道より各種計測用の試錐孔を掘削し、BTVおよび岩芯観察を行った。また、直径1.7m、孔長5mの大口径試験孔を掘削し、孔内壁面の割れ目観察を行った。
吉井 文男; 幕内 恵三; 菊川 伸吾*; 田仲 直*; 斉藤 純*; 小山 清人*
Journal of Applied Polymer Science, 60, p.617 - 623, 1996/00
従来の発泡体は、電子線橋かけにより溶融粘度を上げているが、これは使用後、再溶融による再利用が困難とされている。本報告では、再利用できる発泡体を製造する目的で、ポリプロピレン(PP)を種々の多官能性モノマー(PFM)の共存下で電子線照射した。16種類のPFMについて検討した結果、二官能性モノマーの1.6-ヘキサンジオールジアクリレートや1.4-ブタンジオールジアクリレートが溶融張力の改善に効果的であった。濃度は1.5mm/100g PP、線量は1kGyという、低濃度、低線量で高溶融張力PPが得られた。溶融張力は、分子鎖の絡み合いによることが伸長粘度の測定から明らかになり、この絡み合いは、GPCラルス測定から、PFMがPP鎖との分子間結合により、より高い分子量成分を生成するためと推定された。
五十嵐 寛; 河村 和広; 高橋 武士
PNC TN8410 91-247, 29 Pages, 1991/12
模擬高レベル廃棄物固化ガラスの粘性および電気抵抗に及ぼす白金族元素の影響について調べた。白金族元素は廃棄物中に核分裂生成物成分として含まれるもので、Ru、RhおよびPdからなる。粘性は回転式粘度計で、電気抵抗は二電極式測定装置により測定した。温度は約500Cから1200Cまで変化させた。白金族元素が高濃度のガラスの粘性は非ニュートン流体挙動を示した。ルテニウムを10%含有する場合、他の白金族元素の多少にかかわらず、ガラスの粘性は白金族元素を含まないガラスに比べ37倍高かった。これは主としてRuO2によるものであった。RuOを15%含有するガラスの電気抵抗は白金族元素を含まないガラスに比べ1/7から最大2桁低下した。電気抵抗の低下に対しては白金族三元素が寄与していると考えられた。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(9), p.748 - 758, 1987/09
被引用回数:8 パーセンタイル:63.47(Nuclear Science & Technology)アンモニア水添加法によるpH制御下でのゾル調製に用いた装置を改良し、アンモニア水に代えてアンモニアガスを使用できるようにした。この装置を用いて、初期Th濃度が1~2.34mol/lのTh(NO)出発溶液を中和して、最終温度0.94~2.0mol/lのThOゾルを調製した。コロイド率が高くかつコロイド粒子の大きい良質ThOゾルを得る条件を明らかにした。そのためには、中和様式を濃度に応じて変える必要があることを見出した。得られたゾルの粘度は1.5~2.5mPa・Sで、同様の方法でKFAの研究者が作ったゾルの値よりはるかに低かった。その差異は、中和様式の異なるためであると推定される。
幕内 恵三; 萩原 幸
J.Appl.Polym.Sci., 29, p.965 - 976, 1984/00
被引用回数:28 パーセンタイル:79.05(Polymer Science)天然ゴムラテックスの放射線加硫促進剤として、各種多官能性モノマーの効果を検討した。ラテックスの促進剤としての効率は、モノマーのゴム粒子内への溶解性とゴム分子との反応性(グラフト重合性)の二つの因子が重要であると考えられるため、まず、モノマーのゴムへの溶解度を測定し、溶解度の高いモノマーを選定した。溶解度の低いモノマーを、ラテックスに添加すると、ラテックスの粘度が上昇し、凝固することもあるが、溶解度の高いモノマーでは、粘度上昇は少なかった。加硫促進効率は、溶解度のみには依存せず、モノマーとゴム分子の反応性が重要であることが判った。ラテックスの安定性と反応性との観点から、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが加硫促進としてすぐれていることが明らかとなった。これを、将来の促進剤であるCClと比較したところ、必要線量は高いものの、ラテックスの安定性とフィルムの老化性の2点ですぐれていることが判明した。